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【生産者団体インタビュー】中南米のコーヒー生産者が感じるフェアトレードの意義、そして気候変動の影響とは?

2022/12/06(火)

今年からCLAC(中南米地域のフェアトレード生産者ネットワーク組織)のコマーシャルマネージャーに就任したブラジルのPaulo Ferreira Juniorさんに、インターン生がインタビューしました!

Pauloさんは16歳のとき、祖父の代から続き父が経営するブラジルのコーヒー農園で農家として働き始め、22歳のとき、ブラジルの生産者組合COOPFAMのコマーシャルマネージャーを務め、今に至ります。


インタビュアー
フェアトレード・ラベル・ジャパン
田畑乃亜(学生インターン 慶應義塾大学商学部3年)
大濱里菜(学生インターン 武蔵野大学工学部4年)

インターン地域コミュニティの方々はのフェアトレードに対してどのように考えていますか?
Paulo地域コミュニティの方々はフェアトレードにとても価値を感じています。
フェアトレードの一員になろうとしている生産者は多いですし、一員ではない生産者も、フェアトレード生産者から良い影響を受けています。また、フェアトレードは生産者だけでなく、地域コミュニティにとっても沢山のメリットがあります。地域コミュニティは、病院や老人ホーム、子どもの世話をするNGOなど、フェアトレードに入っている生産者と共に沢山のプロジェクトを立ち上げているため、とても発達しています。実際にコミュニティに訪れると、フェアトレード生産者がいる地域といない地域には大きな違いがあります。

インターン:数ある認証制度の中で、フェアトレードを選んだ理由はなんですか?
Paulo:他の認証制度も、より公正な価格でコーヒーを販売しているという点ではフェアトレードと似ていますが、フェアトレードは生産者向けの制度が充実していると考え、選びました。例えば、より良いコーヒーの生産方法や農園の管理方法、有機コーヒーの生産方法についてトレーニング等を受けることができます。実際、父のコーヒー農園が生産面や財政面において非常に危機的な状況に陥っていたとき、フェアトレードの制度に助けられました。今でも私たち家族がコーヒーの生産者であり続けているのは、フェアトレードのおかげです。

インターン気候変動がコーヒー生産にもたらす影響を教えてください。
Paulo:現在、コーヒーの生産における最大の課題は気候変動です。かつては雨が降るタイミングを予測することができたため、作付けや肥料をまくタイミングが分かっていました。しかし、天候が不安定になってしまい農作業の各工程の最適なタイミングが分からなくなってしまっているのです。現在はコーヒーを生産することがどんどん難しくなってきていて、生産者は上手く生産できるか分からないまま作業をしています。
近年、干ばつや霜の影響で、ブラジルや中南米の多くのコーヒー農園が被害を受け、多くの生産者が本来の生産量の40~50%しか収穫できていません。以前よりコーヒーの価格が上がってきているにも関わらず、気候変動によって生産者は本来の50%以下しか生産できていないため、収入が非常に少なくなってしまっているのです。

インターンコーヒー生産者やフェアトレードの気候変動に対する取り組みを教えてください。
Paulo:近年、気候変動の影響に左右されることなくコーヒーを生産し続ける方法を考える生産者を多く見かけるようになりました。その一例として、コーヒー農園の中に木を植えることで、コーヒーの木のために日陰を作り、温度調整をするという方法があります。
現在、フェアトレードは生産者がコーヒー生産だけに頼らなくても生きていけるよう、生産物の選択肢を増やすためのプロジェクトを展開しています。また、ブラジルでは、政府機関がコーヒーの品種や農園をレジリエントなものにできるよう、新しい生産技術を研究しています。

インターン:最後に、日本のコーヒー生産者や消費者にメッセージをお願いします!
Paulo私たちは購入する商品をしっかりと考えて選択することによって、世の中を良くすることができます。
私たちは商品を買うとき、その商品に隠されたストーリーを美化してしまいますが、何にお金を払っているのか、そしてその商品の背後にあるものは何かを考えるべきだと思います。一人ひとりがそうすることで、より良い世界を作ることができるのです。

干ばつの影響を受けた土地

初作をするご両親

コーヒーの実を見せるお母さん




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