トップページ > 新着情報一覧 > 【開催報告】コーヒーのアジア最大規模の展示会SCAJセミナー 2024「サステナビリティと品質の追求  ~高品質なコーヒーの調達危機への対応~」(2024/10/11) ~Vol.2~

 カテゴリーを絞る |  新着情報一覧 |  お知らせ |  ご報告 |  フェアトレードニュース | 

新着情報

【開催報告】コーヒーのアジア最大規模の展示会SCAJセミナー 2024「サステナビリティと品質の追求  ~高品質なコーヒーの調達危機への対応~」(2024/10/11) ~Vol.2~

2024/10/30(水)
2024年10月に開催されたスペシャルティコーヒー展示会SCAJ2024において、フェアトレード・ジャパンは、 来日生産者とともにセミナーを開催しました。

Vol.2ではパネルディスカッションの様子をご紹介いたします!

Vol.1は>>こちら



潮崎:まずシルビアにお聞きします。企業との連携の事例として良かったものや、インパクトについて教えてください。

 

シルビア:品質と生産性を繋げて取り組んできました。フェアトレードに関わってくれるお客様からの意思で投資をしていただいています。投資の目的は事業のサステナビリティですが、最終的には小規模生産者の生活、そして農業活動のサステナビリティにつながっていきます。

 

潮崎:パウロへの質問です。この10 年でコーヒーの品質の面でどのように変わったのでしょうか?

 

パウロ:コーヒー自体の品質も一般的にここ10 年で変わってきていますが、特にフェアトレードコーヒーはこの10 年で大きく変わりました。小規模農家によるポストハーベストの処理工程もしっかり開発されてきたという背景もあります。

昔はフェアトレードコーヒーは品質が悪いと捉えられていました。生産者も質が悪いものをフェアトレード商品として出荷し、価格が期待できるものを別のマーケットで売っていました。しかし意識変革を行い、フェアトレードも品質を重視しなければならないという認識に変え、取り組んできました。

例えば、10 年前のゴールデンカップの導入などでコーヒーの質への意識が変えられたことがあります。当初のスコアは84~85 点だったのが、現在では90 点を上回るスコアが出るようになりました。

 

潮崎:メルリンへの質問です。ロースター、商社、メーカーなど日本の企業に期待することは何ですか?

 

メルリン:私ども生産者組織、組合として日本の市場に求めることは昔から一貫しています。フェアトレードコーヒーはサステナブルであり、生産者が成長できるという認識を持ってもらいたいです。コーヒー生産の11%が現在フェアトレードですが、もっとフェアトレードを増やせる余地が残っています。

 

会場より:生産されているフェアトレードコーヒーのうち、フェアトレードとして取引されているのは全体の3割しかありません。それは品質が満たないからなのか、もしくは需要が少ないからでしょうか?それとも全体的にコーヒー価格が高くなり、フェアトレードではなく別のところで売られてしまっているからなのでしょうか?

 

パウロ:市場価格は確かに高いですが、フェアトレードとしての取引割合が低いことについては、昔から市場価格とは別の動きをしており、市場に引っ張られることはありません。どちらかというと需要がまだまだ十分に出てきていないということが原因です。消費者が、フェアトレード認証ラベルの製品を認識しても、それよりも他のコーヒーを買ってしまう行動があります。生産者、特に小規模生産者にとっては、フェアトレードは大きな価値を持っています。収入を期待して、さまざまなプロジェクトの資金として取り組んでいます。ぜひ需要を伸ばしたいと考えています。

 

メルリン:フェアトレードがどういうものなのか、どのような意味でサステナブルな取り組みなのかを説明していくと、それに応じて需要も伸びていくと考えます。コーヒー業界、そして各国の取り組みと手を組んで、フェアトレードというのは、生産者にとっても、消費者にとっても付加価値があるものという認識を持ってもらいたいです。

 

クロージング挨拶

進行:潮崎 真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン 事務局長)

 

品質の追求、サステナビリティ、両側面をやっていくことが重要ということで、今回のセミナーではさまざまな取り組みを各生産者組合からご紹介いただきました。いろいろなキーワードが出た中でも印象的だったのは、専門家や外部と取り組むことで新しいことができる、また実験しながら改善していくこと。そしてアントレプレナーシップ、起業家マインドを生産者自身が持っていくなど、現場での工夫が巻き起こっていることを感じてもらいたいといったことでした。

フェアトレードはかつて企業の間で品質への不安が大きかったのですが、今は変わってきており、世界中で美味しいコーヒーとして売れている中で、今後はより日本のマーケットを伸ばしていきたいです。

本日はありがとうございました。

-----

【開催概要】

・タイトル:サステナビリティと品質の追求  ~高品質なコーヒーの調達危機への対応~

・開催日時:20241011日(金) 11:0012:30

・場所:東京ビッグサイト セミナールームF(西4商談室4

・主催:認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン

【登壇者】

・潮崎真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン 事務局長)

・パウロ・フェレイラ・ジュニア(中南米フェアトレード生産者ネットワーク(CLAC)、コマーシャルマネージャー)

・メルリン・プレザ・ラモス(PRODECOOP協同組合 ゼネラルマネージャー)

・シルビア・エレーラ(San Fernando協同組合 ゼネラルマネージャー)




コンタクトフォーム
ページトップ