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今回は、フェアトレード認証バラを取り扱う、株式会社フラワーオークションジャパン様に大学生との デザインコラボレーションについて、伺いました。
― 御社では2006年から日本で初めてフェアトレードフラワーの取り扱いを開始しました。 その導入経緯と現在のフェアトレード認証バラの取り組みについてお聞かせください。
卯木氏(以下、敬称略):花の市場では国内のバラの出荷額は年々減少していく中、海外で生産された花を求めていました。 ある時、ドバイを経由し、比較的短時間で輸入できるケニアのバラに出会いました。 また、弊社の担当者が訪れたヨーロッパのスーパーマーケットでは、フェアトレード認証の花が多数売られていることを知りました。それらを組み合わせて、日本でもケニア産のフェアトレード認証バラを取扱えないかと考え、2006年の秋から、ケニアのフェアトレード認証バラの輸入を始めました。
- 今回、美術大学生とのデザインコラボの経緯についてお教えください。
卯木:これまで、産地であるアフリカ・ケニアを彷彿させるような スリーブデザインなど、定期的にリニューアルをしてきました。日本初の フェアトレード認証バラを多くの方に広めたいという想いの中、次のデザインについて悩んでいました。日本ではフェアトレード認証製品 の多くは、コーヒーやチョコレートなどの食料品が中心です。 例えば、若年層の方にフェアトレードフラワーを知ってもらうには、 同世代の方のアイデアを取り入れるのも面白いのでは?と思い、FLJさんと 相談をしました。フェアトレードの普及に取り組む学生ネットワーク、FTSN[Fair Trade Student Network] の紹介を通じて、武蔵野美術大学の平本瑞季さんと我々フラワーオークションジャパン(以下、FAJ)で、企画会議を行い、デザインコンセプトの話し合いを始めました。
―では、平本さん、スリーブデザインのコンセプトや工夫した点をお聞かせください。 企業とやり取りをする過程で苦労した点などはありましたか?
平本さん(以下、敬称略):スリーブのデザインでは、アフリカで生き生きと楽しそうに働く現地の人々やその様子を再現するために、色使いを鮮やかに、また筆跡が残るように意識して描きました。 また、キャッチフレーズである「幸せひろがるフェアトレードの花」から連想して、バラを持って手を繋いで いるイラストにし、フェアトレードによって、「人と人が繋がる、幸せが広がる様子」を表現しました。 デザインを詰めていく段階では、私自身が忙しかったこともあり、企業の方とコミュニケーションを 取るタイミングが思った以上に難しかったです。苦労もありましたが、最終的に自分の描いたものが 商品化され、店頭に並んでいるのを見たときはとても嬉しかったです。
― デザインをご覧になった印象はいかがでしたか?
卯木:これまで、(業界全体として)花のスリーブで、手書きのデザインや大きな文字を入れたものはほとんど無く、とても新鮮でした。また、ケニアで作られている産地表示をした点も社内でも好評でした。
― 最後に、今後のフェアトレードへの取り組みや意気込みをお願いします。
卯木: 現在、弊社で取り扱っているフェアトレード認証の花はバラです。「特別な日の贈り物である花」を扱う弊社としては、「お客様に喜んでもらえる製品づくり」を心がけ、多くのお客様にフェアトレード認証には花もあると知ってもらいたく、今後はカーネーション等の商品ラインナップを増やしたいと考えています。
― 卯木さん、平本さん、どうもありがとうございました!
* 今回のデザインコラボレーションでは、株式会社フラワーオークションジャパン様からFTSNおよび、武蔵野美術大学 平本さんへ感謝状が贈られました。
株式会社フラワーオークションジャパン ・フェアトレードフラワーの詳細はこちら
あとがき
「特別な日に気持ちを込めて贈る花。もらった人はもちろんのこと、花を育てた人も笑顔になれる。」インタビューを通して、フェアトレード認証バラが、笑顔のつながり、幸せの広がりを生み出していることに気づきました。今後もフェアトレード認証フラワーという贈り物が生産国と日本の人々の笑顔を生み、日本でのフェアトレードの一層の広がりにつながることを期待しています。
インタビュアー 横田(2013年4月)