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人権・環境リスクのオンラインデータベース「フェアトレード・リスクマップ」を公開
2023/02/01(水)
フェアトレード・インターナショナルは、フェアトレードの産品や国・地域毎の人権と環境のリスクを一覧化したオンラインデータベース「フェアトレード・リスクマップ」を公開しました。
リスクを特定することは、リスクへの取り組みの第一歩です。徹底したリスクの評価及び生産者・労働者との協力が、企業が持続可能なサプライチェーンを構築するための重要な基礎となります。
現在、グローバルなサプライチェーンの中では、人権の侵害や環境破壊が多く発生しています。世界の労働者の5人に1人が貧困状態にあり、世界の水資源使用の70%は農業用水としてあまりに多く使われ、児童労働は増加しています。
こうした課題に対応するために、欧米を中心に世界中の企業に、人権・環境デュー・ディリジェンスが求められている今、企業が事業のリスクを特定する上で最適なツールの一つとしてフェアトレード・リスクマップを公開しました。
フェアトレード・リスクマップとは?
フェアトレード・リスクマップは、産品・産業の特徴や地理的要素に基づき、産品や国ごとの重大な人権と環境のリスクを特定し、可視化したものです。そしてこれらのリスクが、貧困、不平等、搾取などの根本的な原因と切り離せない関係にあることを明らかにしています。
【概要:データの対象範囲】
・対象国:129か国
・対象産品:コーヒー、カカオ、バナナ、ワイン用ブドウ、ハチミツ(他の産品も順次公開予定)
・対象リスク:9つの主要な人権・環境リスク(労働者の権利、児童労働、強制労働、ジェンダー、差別、生活収入、生活賃金、気候変動、水・生物多様性)
リスクマップは、世界のフェアトレード認証組織が継続して行っているリスクとインパクトの評価を元に作られたもので、世界6大陸の生産者組合、労働者、農園経営者、フェアトレード認証組織のスタッフ、そして外部の専門家の意見を取り入れ、対話と参加型プロセスを経て完成しました。
フェアトレード・リスクマップの活用
このオンラインデータベースは、生産者組合、労働組織、小売業者、ブランドオーナーに至るまで、サプライチェーンにおけるすべての事業者が、リスクを評価する際に活用できます。ビジネスに取り組む企業は、サステナビリティへの取り組みや支援をどこに向ければよいのかといった指針を得ることができます。また、企業がデュー・ディリジェンスの責任を果たすための要件を把握し、リスクの特定、予防、軽減のために、活用することができます。
フェアトレード・インターナショナルは企業に対し、リスクを無視するのではなく、このリスクマップを生産者や労働者との対話を始める機会として活用すること、グローバルなサプライチェーンをより持続可能なものにするための具体的なステップを踏むことを推奨しています。そしてフェアトレードは、それを実現するために一定の基準を示すことができます。
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「リスクマップは、サプライチェーンに関連する事業者間の透明性のある対話を促進し、企業が最大のリスクに対処し、生産者コミュニティや地球への被害を拡大させないよう効果的な対応を構築する上で役立ちます。」
中南米生産者ネットワーク団体CLAC代表 マリケ・デ・ペーニャ
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「フェアトレードは30年以上にわたり、ビジネスにおける人権を推進するパイオニアです。デュー・ディリジェンスは、社内のプロセスやビジネスパートナーへの要求だけでなく、人々の生活向上や環境保護のために、対話や協力関係を築き、自らの行動を変容させることが必要です。」
フェアトレード・インターナショナル ビジネス・人権ディレクター ティッティ・ナヒ
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▶フェアトレード・リスクマップ(英語版)
無料でどなたでもアクセス可能です。
日本語での閲覧は、ブラウザの翻訳ツールをご活用ください。