監査
監査
国際フェアトレード認証制度では、原料を生産する生産者から製品にラベルが貼付されるまでに関わるすべての認証組織に対して、定期的に監査を実施することによって、認証ラベルの信頼性を保持しています。認証事業者は、認証機関(日本の場合はFLJ)による監査を受けることが義務付けられています。
監査では、それぞれの事業者が国際フェアトレード基準を遵守した生産や売買を行っているかをチェックし、遵守していないと判断された場合には、一定期間内で改善していただくことが求められ、それでも改善されない場合には、認証一時停止や取消処置を行います。
・監査の詳細は、R-04 認証・監査規定をご参照下さい。
※FLOCERT認証管轄組織の監査詳細については、FLOCERTのウェブサイトにてご確認ください。
監査のポイント
Trader 基準 No. | 適用者 | 確認事項 |
---|---|---|
1.1.3 | すべての事業者 | フェアトレード認証原料(製品)を取り扱う、製造委託組織、自社製造工場が変更、追加される際に、 FLJに事前に申請がなされているか。 |
1.1.3 | すべての事業者 | 認証事業者は、自身が100%所有していない製造委託組織と、次の事項について書面での取り交わしがされているか。 ・国際フェアトレード基を遵守すること ・FLJが各事業者の現地監査を行う権限を持つこと |
1.2.1 1.2.2 |
すべての事業者 | 認証ラベル、FSIラベルを製品パッケージ、販売促進マテリアル、ウェブサイト等に使用する際には、 事前にFLJに申請し承認を得ているか。 |
2.1.1 | すべての事業者 | 中間製品(原料)の取引関係書類(契約書、請求書、納品書等)には、製品(原料)が「フェアトレード」と明確に分かるような記載がなされているか。 また、購入者及び販売者の組織名、およびFLO-IDが記載されているか。 |
2.1.4 | すべての事業者※カカオ、砂糖、茶、フルーツジュースの場合は、物理的トレーサビリティ(注)を適用する場合のみ | 認証原料の包材には、「Fairtrade」または「フェアトレード」等の表示し、非フェアトレード原料と物理的に区別ができるか。 |
NA | ライセンシー | 販売報告が提出期限までに定期的になされており、その数量の根拠となる書類が確認できるか。 |
4.1.2 4.1.3 |
輸入(生産者と直接取引する場合) | 輸入組織とは、生産者と(もしくはコンベイヤーと)認証原料(製品)の購入において、国際フェアトレード基準で要求された 項目を含む契約を書面で取り交わしているか。 |
4.2.1 4.2.2 4.2.3 4.2.5 4.2.7 4.3.1 |
輸入(生産者と直接取引する場合) | 「フェアトレード価格・プレミアム一覧」に規定されている、正しい額のフェアトレード価格、プレミアムが適切な方法で支払われているか。 フェアトレード価格・プレミアム一覧 https://www.fairtrade.net/standards/price-and-premium-info.html |
4.5.1 | 輸入(生産者と直接取引する場合) | 輸入組織は、購入を計画している各生産者へ調達計画を提出しているか。 |
(注)物理的トレーサビリティの適用に関して
コーヒー、バナナ、花、ナッツなどほとんどすべてのフェアトレード対象産品には、物理的トレーサビリティの要求を守ることが義務づけられています。 つまり、生産者、トレーダーはすべての過程において認証原料と非認証原料を分けて管理する必要があります。
しかしながら、このルールをカカオ、茶、砂糖、フルーツジュースに適用させようとした場合、業界の特性上、物理的トレーサビリティを保証する事は 非常に難しい事がわかりました。そこで国際フェアトレードラベル機構は、これら産品を取り扱う多くの生産者にもフェアトレードに参加する機会を提供 するために、「マスバランス(Mass Balance)」と呼ばれるシステムを導入しています。マスバランスは物理的なトレースをとる必要はありませんが、 生産者への適正な価格、プレミアムの支払い等は通常通り保証されており、生産者は物理的トレーサビリティが適用されている場合と同じ恩恵を受ける事 ができます。
国際フェアトレードラベル機構は物理的なトレーサビリティを確保することを奨励しています。日本においては、原則としてすべての産品に対して物理的トレーサビリティを適用し、監査を実施しています。※マスバランスの監査を希望する場合には申請が必要です。
一方で、FLOCERTが行う生産者、トレーダーの監査では、要求がない限りカカオ、茶、砂糖、フルーツジュースの物理的トレーサビリティを確認 せず、マスバランスが適用されます。物理的トレーサビリティが保証された原料の調達をご希望の場合には、原料調達先に物理的トレーサビリティでの監査を受けているかをご確認下さい。
苦情および異議申立て手続き
認証・ライセンス業務に関連する苦情や異議申立てにつきましては、苦情および異議申立て手順 に従ってご連絡ください。