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「一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花さん」インタビューを掲載しました。
第21回 一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花さん
『私らしく」拡める、ストーリーのある暮らし』
今回は、一般社団法人エシカル協会の代表理事でいらっしゃる末吉里花さんにお話を伺うことができました。
インタビュアー
フェアトレード・ラベル・ジャパン
寺本真依(学生インターン 一橋大学社会学部4年)
取材日:2020年3月20日(金)
―末吉さんは『世界ふしぎ発見!』でキリマンジャロに行かれたときに受けた衝撃が、現在の活動の原点だと伺いました。現在ではエシカル消費の促進にたくさんの活動をなさっていますが、活動を始められてから現在に至るまでで、活動の変化は感じられますか。
末吉さん(以下、敬称略):活動を始めた頃と今では、全然違いますね。盛り上がってきたな、と感じるのは特にここ1,2年で、2018年の後半くらいからエシカル協会にも個人、自治体、企業、教育機関からの問い合わせが急増しました。キリマンジャロの頂上で地球の温暖化によって消えゆく氷河を目の当たりにして衝撃を受けた翌年の2005年に、People Treeの創業者、サフィアさんと出会ってフェアトレードを知りました。もともとファッションが好きだったので、好きなものを通じて世界を変えられたら素晴らしいな、と思いました。2010年にはフェアトレードのものが少しずつ店頭に並ぶようになりましたが、「もっとフェアトレードを知っている人を増やしたいな」と自ら主宰してフェアトレード・コンシェルジュ講座を始めました。フェアトレード・コンシェルジュ講座の第一期生である仲間と一緒に、2015年にエシカル協会を立ち上げ、現在代表を務めています。
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末吉里花:一般社団法人エシカル協会代表理事 日本ユネスコ国内委員会広報大使
「モノが溢れる時代、これから私たちは何を基準に買い物をしていけばいいだろうか。
もちろん多くの人にとっては、値段の安さもひとつの基準かもしれないが、これからは商品の背景にある物語への共感、あるいは体験が買い手にとっても、作り手にとっても、笑顔を生む生産と消費の循環に繋がるのではないだろうか。」
~末吉里花さんからFLJへの応援メッセージより一部抜粋~
―末吉さんは特に若い方と関わってたくさんの活動をなさっていると思います。こんな学生からの取り組みがあって、大人たちを変えていった、という事例はありますか。
末吉:たくさんあります。例えば、卒業を控えた高校生たちが自分たちの卒業証書の紙の背景を調べた時、どこで、誰によって作られたのかまったくわからなかったそうです。「大切なものが、もしかしたら地球や人を傷つけて作られているかもしれない。背景がわかる紙であってほしい。」と先生たちに直談判。自分たちの力で、フェアトレードのバナナペーパーの使用にこぎつけました。
またこんな事例もあります。私の著書「じゅんびはいいかい?」(*)を読んでくれたお子さんが、翌朝朝食で出てきたバナナを食べながら、「このバナナはだれがどこで作っているんだろう?」と親御さんに聞いたそうです。親子で買いものに行き、その子が店員に「フェアトレードの商品はありますか?」と尋ねることまでしてくれたそうです。子どもは思ったことをすぐに行動に移してくれる。意見をお店の人に伝える、という行為はとても有効であると同時に、お金がかかりません。
(*) 絵本「じゅんびはいいかい?名もなきこざるとエシカルな冒険」 https://www.yamakawa.co.jp/product/14001