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「千葉商科大学 サービス創造学部コミュニティカフェプロジェクト」インタビューを掲載しました。

2020/04/21(火)

第20回 千葉商科大学 サービス創造学部コミュニティカフェプロジェクト
『地域や企業を変えていこう!学生カフェから発信するフェアトレードとは?』

今回はFLJ学生インターンによるスペシャルインタビューとして、千葉商科大学 サービス創造学部のコミュニティカフェプロジェクトを取材させていただきました。

顧問の滝澤淳浩先生に詳しくお話を伺いました。

企業でのご経験を経られた先生ならではの目線から見た学生の認知の変化や、地域や企業の今後の取り組みについてお話を伺いました。


(親子で体験できる「フェアトレードバナナとチョコレートを使ったチョコバナナ教室」の様子。バナナとチョコレートはイオングループダイエー市川店 提供)

インタビュアー

フェアトレード・ラベル・ジャパン

寺本真依(学生インターン)

取材日:2020年3月31日(火)


2020年1月9日と10日に、千葉商科大学のサービス創造学部にてフェアトレードをテーマにしたコミュニティカフェが開催されました。
地域の方や学生で大学の校舎の一階に設置された会場はとても盛り上がりをみせていました。


Q.顧問を務められる滝澤先生ご自身は、以前からフェアトレードなどに携わっていらっしゃったのでしょうか?

滝澤淳浩先生(以下敬称略):私は以前企業(加賀電子株式会社)に勤務していました。長年、企業広報に携わってきましたので、CSRやSDGsの知識や関心はあり、大学ではその関連の研究をしています。2017年に原科幸彦 学長が就任し、同時に「学長プロジェクト」が立ち上がりました。そのメンバーとして、私もエシカル消費の教育と推進活動に深く関わるようになり、今日まで学生たちと様々なかたちで活動を進めてきています。最初にスタートしたのが、今回お話するサービス創造学部のコミュニティカフェプロジェクトの学生が期間限定で企画運営する「学生カフェ」です。

Q.単位認定科目として年に2回、学生さん自らがテーマを設定し、そのテーマに基づいたカフェ運営を体験すると伺いました。今までは、どんなテーマでなさってきたのですか?

滝澤: 2017年度はグリーンガーデン、アメリカンダイナー、2018年度は和カフェ、昭和カフェ。2019年度は地球温暖化対策やエシカル消費をテーマにしたcafe bee&bear、そして今回がフェアトレードをテーマにしたTry Angleです。

Q.2019年度はSDGsを意識したテーマがなぜ一気に浸透したのでしょうか?

滝澤: 一見するとSDGsとは程遠いような過去テーマの際も、フェアトレード認証のコーヒーやオーガニックにこだわった材料を使っていました。私が学長プロジェクトのメンバーとして、「エシカル消費の教育と推進」というテーマの研究を進めていく上で、この学生カフェはとてもいい学生教育の場でした。履修登録者25名、「エシカル消費」も「フェアトレード」も全く聞いたことがなく、全く知らない状態でした。エシカル消費やフェアトレードについて、講義の中で私が説明したり、インターネットの動画を見せたり、本を読んだり、そうこうするうちに「これは人としてやらないといけないことなんだ」という学生たちの意識が変わってきたことは、提出されるレポートの内容から確実にその手応え感はありました。しかし、実際に、カフェを運営するにあたり、大学からの予算内で商売をするわけで、コーヒー豆などの仕入れ計画からスタートしますが、その時に身をもって「フェアトレード認証コーヒー豆」が極端ですが高いもので2倍、3倍の値段がするという現実を目の当たりにします。私に「どうしてもフェアトレードのコーヒー豆を使わないといけませんか。これでは自分たちの計画通りの利益が出ません」と学生たちが喰ってかかってきました。 しかし、そこで折れては元も子も無いので、「目先の利益を求める、そんな集団、そんな人間では駄目だと勉強してきたのを忘れたのか。残念だなあ」という話を切々として、学生たちにエシカル消費やフェアトレードを教えるにあたっては、一般社団法人エシカル協会の代表理事の末吉里花さんの著書「はじめてのエシカル」(山川出版社、2016年)を講義中に音読、ディスカッションを続けました。
また、フェアトレード・ラベル・ジャパンの中島佳織事務局長やイオン株式会社のグループ環境・社会貢献部の金丸治子部長のところに学生たちと訪問させていただき、なぜ、私たちのこの活動が必要なのかということを丁寧にお話していただきました。学生たちは直接お話を聴くことでようやく納得してフェアトレード認証コーヒー豆など使用するようになりました。

Q.先生の「人としてやるべきこと」という熱意が学生さんを動かしていったのですね。そういった動きが、今回カフェのテーマとしてフェアトレードの採用に繋がっていったのでしょうか?

滝澤: 大学の戦略広報センターのサポートで、学生がエシカル消費やフェアトレードの啓発活動を行うことについて新聞や雑誌社、地元ケーブルテレビ局の皆さんが興味をもって取材にきていただけ、書いていただいた記事や映像を見て近隣の住民の方々も大勢来ていただけプロジェクト設立以来の大盛況となりました。学生たちも改めてエシカル消費やフェアトレードの重要性や世間の注目度を認識するようになり、いまでは私から指示しなくとも、フェアトレード認証製品を自分たちで探して仕入るまでになりました。
今回のテーマ設定にあたっては、「自分たち以外の多くの人たちがフェアトレードのことを認知しなければ、世界の貧困や飢餓で苦しんでいる人たちの生活の改善や環境破壊に歯止めがかからない」という声があがり、その時点でフェアトレードが今回の候補として有力だったようです。秋学期のプロジェクトが始まる前には学生が自らの足で都内や県内の様々なカフェを訪問、また、エシカル消費についてもう一度しっかり勉強しなおし、最終的に「フェアトレード」をテーマにしたい、という意見にまとまりました。 オープンキャンパスでのサービス創造学部ブースでの現役学生が運営するカフェコーナーでも、高校生や家族の方にフェアトレード認証のコーヒーやジュースを提供しようと言うまでになりました。学生たちの意識は相当高まっていると思います。

 

Q.先生ご自身は、フェアトレードに深く関わられるようになった契機などはありましたか?

滝澤:学長プロジェクトの一環として、NPO法人主催のフィリピンのスタディツアーで生産現場の実態を目にしてきました。これが言葉で表現できないくらい衝撃的なものでした。
当たり前のことなのですが、労働者にはその労働に対する給料がきちんと支払われるべきでありますが、それがなされていないために家計が苦しく学校に行けない子どもたちがフィリピンをはじめ未だに大勢います。私たちが支援できることは、彼らの人権を尊重する企業の製品を積極的に購入することです。そこからだと改めて思いました。多くの学生にも現地を見てきて欲しく、自身も普段の消費行動を変え、周りの人たちの意識や行動を変えさせるようになってくれればと強く思います。

Q.イベント後のアンケートを拝見し、「周りの人にも広めたい」「毎朝フェアトレードコーヒーを家族と飲むようになった」など、学生さんがフェアトレードに関心を強めてくださった様子がわかって嬉しかったです。その関心を、一度に終わらせず今後もフェアトレードの商品を選んでもらう行動に繋げていってもらうには、どうしたらよいでしょうか。?

滝澤:このプロジェクトに携わった学生たちは間違いなくフェアトレード製品を購入することの重要性を理解し、普段の行動に移してくれています。アンケートの回答にもありましたが、スーパーやコンビニに行くと、先ず商品棚のフェアトレード認証マークを探してしまうとか(笑)。また、家族で買物に行った時や夕食時の食卓でもフェアトレードの話しを両親や兄弟にもしてくれているようです。 私はその広がりを期待したいですし、また、この活動を通じて学内の学生や教職員だけでなく近隣の住民の皆さんにも普段から意識した生活をしてもらえるように活動範囲を拡大して行きたいと考えています。最初から大上段に構えると堅苦しくプレッシャーに感じ、嫌になってしまう可能性がありますので、自分でできることから始めてもらえればと思います。 千葉商科大学全体でもフェアトレードの取り組みを進めています。全国レベルの人気の学食「THE UNIVERSITY DINING」では、フェアトレード認証のコーヒーや紅茶、ホットチョコレート、ジュースなどを提供。脱プラスティック活動の一環としてコーヒー豆からつくられたストローや生分解性プラスティック容器の採用、テイクアウト用ビニール袋から紙袋に切り替えなど環境保護にも努めています。 また、体育の講義や部活動で使用するボールなどスポーツ用品もフェアトレード認証用具の購入をしています。

 

Q.企業でCSRやSDGsに携わっていらした先生から見て、企業が社会への取り組みや、その一環としてフェアトレードへの取り組みを理念だけでなく、行動の伴うものにしていくにはどういったことが必要でしょうか?

滝澤:企業がCSRやSDGs、そのひとつとしてフェアトレードへ取り組むには、経営トップのビジョンとリーダーシップが必要だと思います。社会問題を新たなビジネスチャンスとして捉え、経営戦略に取り込むことができるかどうかでしょう。その企業内で考え出されたビジネスモデルを早急に具現化する。もちろん、社員教育も必要です。社員が本当に理解を示し実行しないと上手く行かないと思います。 世の中の人たちが望んでいることに対応することは、企業は競合他社との差別化がはかれ競争力が付きます。また、消費者だけにではなく地域社会や取引先、投資家にも評価されイメージアップや企業価値向上に繋がります。従業員も社会から信頼される企業で働くことで仕事に対する誇りと働きがいを持つことができます。

 

インタビューを終えて

インターン生 寺本: 同じ大学生として、学生の皆さんの作り出すもののレベルの高さに感激しました。フェアトレードの製品を自ら出品するとなると、食材の調達から販売できる形にするまでで一苦労なはずです。それを「どれにしよう」と目移りしてしまうほど工夫の凝らされたカフェに仕上げていらっしゃいました。また、大学としての取り組みが非常に先進的です。いち早く食堂でもフェアトレードをはじめとしたサステナブルな取り組みを始めていらっしゃること、広報部、地域も一丸となって発信していらっしゃることは素晴らしいです。
プロジェクトに携わられた方からの発信などにより、千葉商科大学さんに続く取り組みが増えて、フェアトレードの意味を感じながら伝えられる動きが広まるといいなと思います。

 



◇千葉商科大学コミュニティカフェ・プロジェクト イベント紹介ページ

◇千葉商科大学コミュニティカフェ・プロジェクト Facebookページ

◇千葉商科大学 SDGsの取組み/フェアトレード認証、オーガニック商品の販売

◇千葉商科大学 The University DINING

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