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第15回 ホットマン株式会社 老舗タオルメーカー、フェアトレード製品へのチャレンジ

2016/11/28(月)
今回は、 ホットマン株式会社の坂本(サカモト)様、平谷(ヒラヤ)様、何(ホー)様にお話を伺いました。
同社は明治元年(1868年)に絹織物製造業として東京・青梅に創業し、タオルをつくり始めてから50余年が経ちます。また、同社は日本初のフェアトレードコットンタオルをつくりました。

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インタビュアー:フェアトレード・ラベル・ジャパン
小澤 佳 (学生インターン 青山学院大学 国際政治経済学部 3年)
連 映慈 (学生インターン 文化ファッション大学院大学 ファッションマネジメント2年)
取材日:2016年11月28日
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タオル専門メーカーであるホットマン(株)様は欧米の文化や美意識と日本古来の繊細さを融合させることで、新しい日本のライフスタイルを提案しています。
タオルづくりを一貫して行える自社工場を構え、日本のタオル業界で唯一、企画・デザイン・糸染め・織布・布染め・プリント・縫製・刺繍・物流・販売まで一体化したシステムを構築しており、時代に左右されない本物へのこだわりがホットマンの特徴です。 また、ホットマンは「1秒タオル」という、1㎝角に切り取ったタオル片が1秒以内(瞬時)で水に沈み始める吸水性抜群のタオルを開発し、提供しているのが魅力のひとつです。

そして、同社はフェアトレードの活動に共感し、2013年には国際フェアトレード認証を取得し、日本で初めてのフェアトレードコットンタオルの生産・販売を始めました。フェアトレードとして認証された商品を生産し、取引先国との共存共栄をめざしています。

今回のインタビューでは、ホットマン(株)様がどのようなきっかけでフェアトレードを知り、取り組まれたのか。また、その取り組みの難しさや良い点などお話を伺いました。

Q. フェアトレードを知ったきっかけをお聞かせ下さい。
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坂本さま:当社では綿から糸をつくる紡績工程は自社で行っておらず、紡績会社に生産の依頼をしています。その取引先の一つである第一紡績さんから紹介されたのがフェアトレードを知ったきっかけです。そして、我々が日々使用している綿にも、一部には先進国側に有利で不平等な構造があり、生産コストすら賄えない低価格の厳しい状況を強いられていることを知りました。
 
Q. なぜ国際フェアトレード認証を取得されたのでしょうか。
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坂本さま:この取り組みを始める前に、「フェアトレードとは何か」から学び始めました。そうした中で、国際フェアトレード認証というしっかりとした枠組みに参加することで持続的に途上国の自立支援という目的が達成できると考えました。また、1社だけではなく、国際フェアトレード認証を取得している多くの企業とともにフェアトレードの取り組みを広めていけると思い、取得しました。

Q. フェアトレードに携わって大変だったこと、苦労していることはありますか。
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坂本さま:もちろん確実な管理、運営をしていかなければいけませんが、あまり大変だと感じたことはありません。どちらかというと、日本ではフェアトレードの認知がまだ低い中で、フェアトレードの理解を深める機会をつくることがなかなかできていない課題があります。まずは、自分たちがしっかりと理解する必要があります。そこで、フェアトレード・ラベル・ジャパンが貸し出しを行っているパネルや広報誌などを使って全社員に意味や目的をしっかりと伝えることで、全社でのフェアトレードの知識の向上を図っています。 

Q. フェアトレードに携わって良かったことはありますか。
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坂本さま:フェアトレードの取り組みを行うことで、社員が自分たちの商品にさらに誇りを持つことができるようになったと思います。また、フェアトレード認証のタオルが付加価値のひとつとなっています。セネガル産の綿はタオル向きであり、繊維の長さや色、弾力性などとても相性がよいといえます。しかしこうしたフェアトレード商品のワンシリーズのリニューアルだけでなく、今後はインドなど他の国の商品開発にもトライしてみたいと思っています。

Q. この取り組みや製品に対する社内やお客様からの反応
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坂本さま:全国の直営店を通して、様々な年代の方に少しずつフェアトレードが認知されてきています。その中で、単に良いものというだけでなく、社会貢献につながる購入をしたいという方も増えてきていると思います。また、最近では、異業種からフェアトレード商品の問い合わせも増えました。

平谷さま:中には青梅市役所からもフェアトレードの取り組みについて話を聞かれることもあり、公的機関からの問い合わせが寄せられるようになりました。

ホーさま:2014年には、第一紡績主催の「セネガル産フェアトレード認証コットンセミナー」に参加し、同席していたジェトロやフェアトレード・ラベル・ジャパン、イオントップバリューとともに、国際フェアトレード認証について、生産パートナーの視察報告、日本での商品開発、市場導入例についてなど紹介がされました。 

Q. 今後の展望
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坂本さま:
フェアトレードに取り組むうえで念頭においていることは、「最終的にはフェアトレードという言葉をなくすこと、つまりフェアな環境が当たり前の世界を作っていくこと」です。これを実現するために、まずはより多くのお客様にフェアトレードを知っていただける取り組みをしていきたいと思っています。それには生産者にも、わたしたち製造・販売者にも、お客様にも価値を得られる商品をつくり上げることが必要です。そして、これを「継続的な取り組み」にしていくことが重要です。今後はオンラインショップなども活用し、「1秒タオル」といった商品から老若男女問わず興味を持ってもらえるようにしていきたいです。そして、いつの日かフェアな環境が当たり前となる日を目指して、これからもフェアトレードに取り組んでいきたいと思います。 

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インタビューを終えて
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今回のインタビューを通して、企業にとってビジネスをするうえで、よりよい商品を継続的に作り、販売することが重要であることから、フェアトレードという考え方がその目的を達成しうる概念であることを改めて知ることができました。
また、国際フェアトレード認証は責任を持って製品を作るという企業のモチベーションを維持する一つの役割をはたし、かつ一企業だけでなく、多くの企業とともに波及的に取り組むことができるので、フェアトレードの普及に大きなインパクトを与えうると思いました。特に、ホットマン様のように企業が積極的にフェアトレードの取り組みをすることで、公的機関や他企業との交流など新たな関係性が生まれていくので、今後もますますフェアトレードの市場の拡大が進んでいくことを期待しています。

そして、フェアトレードをより多くの企業に知ってもらう機会をもっと増やしていく必要もあると同時に思いました。また買う側の消費者も、人にとって、地球にとって、良いものを意識して購入する消費行動が高まっていくことを願います。そのためにも、私どももより一層、普及啓発に取り組んでいこうと思います。

坂本さま、平谷さま、ホーさま、お忙しい中、インタビューにご協力いただき、 ありがとうございました。

【お問い合わせ】
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ホットマン株式会社
https://hotman.co.jp/
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