参加団体インタビュー
第14回 豊通ファッションエクスプレス株式会社
フェトレードへの取り組み――2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えて
今回は、豊通ファッションエクスプレス株式会社 井戸本様にお話を伺いました。
同社設立は1973年。有名アパレルブランドの衣料製品及び服飾雑貨製品の企画・製造・輸出入事業を行っています。2014年度から、国際フェアトレード認証を取得されています。
インタビュアー
フェアトレード・ラベル・ジャパン
田中 千晴(学生インターン 慶応義塾大学 総合政策学部 3年)
小暮 香織(学生インターン 中央大学 法学部 5年)
取材日:2015年7月23日(木)
平成27年7月22日(水)~24日(金)に、繊研新聞社が主催するJFW インターナショナル・ファッション・フェアが行われました。本イベントは、日本で最大のファッションビジネス合同展示会です。
今回は、新たに「サステイナブルファッションエリア」が設置されました。このエリアには、フェアトレード、エシカル、オーガニックなどに重点を置いたブランド・企業が出展しました。その1社が、豊通ファッションエクスプレス㈱さんです。
Q: フェアトレードに対する取り組みを始めたのはいつごろですか。また、そのきっかけは何ですか。
井戸本さん
約2年前から、フェアトレードの事業に携わっています。
衣料品(コットン)分野ではまだまだ取扱いが少ない中、豊田通商グループである東洋棉花(株)がフェアトレード原料を取扱いしていました。ちょうどこの時、社内でもフェアトレードの認知度が高まり、これらを、弊社にて製品までを生産・販売することで、商品の差別化を図るだけでなく、更には、生産者の生活や自然環境を守る貿易にて、国際貢献できると考えました。
Q: フェアトレードに携わって、大変な点や、苦労していることはありますか。
井戸本さん
衣料品(=コットン)におけるフェアトレードの認知度が、まだ低いというところで苦労しています。フェアトレードは、コーヒーやチョコレート等、食品分野の取扱が多く、複雑なデザイン、ファッション性を追求する衣料品では、まだまだ企画面、価格面においても課題です。最近では、ようやくトートバッグなど、雑貨が先行して、業界では取扱量が増えてきた感じです。
Q: では、反対に、フェアトレードに携わってよかったと思うところは、どんな点ですか。
井戸本さん
会社として、国際フェアトレード認証のコットンを推奨しているというのは、大きな強みです。更に、フェアトレードに取り組んでいることで、多くのお客様に興味を持って頂けます。現状では、30代くらいまでの世代は、フェアトレードを知っている人が多いと感じます。今後は、その上の世代の方にも、フェアトレードの取り組みを知って頂けると嬉しいですね。
Q: フェアトレードに対する、お客様の反応はいかがですか。
井戸本さん
今回の展示会において「フェアトレード製品を取り扱ってみたい」というお声をよくいただきます。私たち「豊田通商グループ」では、その製品を取り扱うことで、フェアトレード精神が、衣料品業界のみならず、社会全体に浸透することを期待しております。
Q: では、最後に、今後の展望をお聞かせ下さい。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催は、今日本で一番熱い話題だと思います。2012年のロンドンでは、フェアトレード認証されたバナナやコーヒーが提供され、世界へ示すことができたと聞いています。2020年東京においても、世界的なイベントだからこそ、フェアトレードを広める最高の機会であり、それに向けて今すぐ活動をしなければならないと感じています。
インタビューを終えて
今回のインタビューを通して、繊維業界ならではの、大変な部分を伺い知ることができました。世界のコットン農園の方々も、良質なコットンづくりに日々励んでいます。激しい価格競争を展開する繊維製品でも、国際フェアトレード認証による貿易の取引が広がり、製品が広く普及することを私たちも心待ちにしています。
また、「5年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックはフェアトレードを広める最大のチャンス」という言葉がとても印象的でした。世界中が注目する舞台において、多くの方々にフェアトレードの理念が広がっていくことを期待しています。そのためにも、私どもも日々普及活動に励んでいきたいと思います。
井戸本様、お忙しい中インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
【お問い合わせ】
豊通ファッションエクスプレス株式会社