参加団体インタビュー
第18回 株式会社チチカカ
生産者との強いつながり
チチカカが行っている取り組みや、その想いについてインタビューさせていただきました。
インタビュアー:
フェアトレード・ラベル・ジャパン
川添 理子(学生インターン 早稲田大学法学部3年)
取材日:2018年6月20日
チチカカ会社情報 http://www.titicaca.jp/
Q.フェアトレードに携わるきっかけをお聞かせください。
チチカカが「フェアトレード」を始めた理由は主に二つあります。 ひとつは、「チチカカを通じて世界の文化を伝えていく」「国・世代・ジャンルを超えて取引先各国の人たちと一緒に切磋琢磨、共存共栄して彼らと共に成長する」などチチカカの企業理念が「フェアトレード」にマッチしていたためです。もうひとつの理由は、「フェアトレード」の考え方や仕組みに感銘を受けたことです。単なる援助や支援でなく、「生産者や労働者の自立を促進することができる」という点に共感したからです。
Q.フェアトレードに携わって苦労した点、また良かった点はありますか。
チチカカは、「フェアトレード」を始めるにあたり、新しい取引先を探すのではなく、20年以上携わってきた工場と一緒にチャレンジしました。
初期段階は、工場や労働環境の整備・労働者の教育、すべての製造過程の管理方法の確立など、非常に苦労しました。
しかし、その結果、国際フェアトレード認証ラベルのついた商品をお客様のもとにお届けできるようになり、工場で働く人々の生活環境や福利厚生を向上させることができました。加えて、工場の労働者に「フェアトレード」の仕組みを教えることで、「フェアトレード」知識が別の工場にも広まり、地域の労働基準が上がっていると聞いています。
Q.フェアトレードに対する周りからの反応は何かありましたか。
チチカカは2012年にフェアトレードを始めて、今年で7年目になります。認証コットンを使用したトートバッグの販売が日本で初めての試みでしたので、メディアにも取り上げられました。また、「フェアトレード」を採用していることで、高校や大学での講義、ファッションショーの依頼などをいただくこともあります。
Q.ブランドとして大切にしていることは何ですか。
生産者と時間をかけてコミュニケーションをとりながら商品を作っていることを大切にしています。「フェアトレード」の取り組みは、生産者の生活や賃金を保証することにつながります。お客様や働くスタッフが、チチカカの「フェアトレード」商品を通じて、商品生産背景と消費のあり方を見つめ直すきっかけになればいいなと考えています。
Q.今後の展望をお聞かせください。
近年日本でも「フェアトレード」など「エシカル」を意識した商品が増えていますが、商品ラインナップが少なく、高価格なため、消費者にとって身近ではないと感じています。しかし、チチカカは一般消費者の方がメインターゲットなので、「フェアトレード」など「エシカル」を意識した商品をより多くの皆さんに普及できる環境が整っています。
今後も「フェアトレード」を知らない方にも、チチカカらしい遊び心のあるデザインと手に取りやすい価格の商品開発を心がけ、より多くのお客様へご提供していきます。
「自分が欲しいものを買っただけで、社会貢献が身近になる」、そんな商品を提供できる環境づくりを継続していけたらと思います。
Q.インタビュー記事をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
「自分が欲しいものを買っただけで、社会貢献が身近になる」 チチカカの「フェアトレード」商品をきっかけとして、もっとたくさんの方に「フェアトレード」を身近に感じていただけるように商品づくり・商品開発・情報発信を続けたいと思っています。また、今後は「フェアトレード」普及のために、様々なジャンルの国際フェアトレード認証取得商品提供企業とコラボレーションも検討しています。機会があれば、ぜひチェックしていただけると幸いです!
Q.インタビューを終えて
今回、チチカカさんにインタビューする中で常に感じたのが、「生産者との距離の近さ」です。社員の方々は実際に現地に行くことも多く、コミュニケーションを非常に大切にされている姿勢がとても素敵でした。
また、「切磋琢磨」という言葉も強く印象に残っています。生産者を教育することもありますが、彼らとチチカカさんとの間柄はあくまで平等。お互いがお互いを高めあっていくという理念に強く共感しました。
チチカカさんは学生から大人まで、幅広い世代に人気のあるブランドなので、身近なところから「フェアトレード」を知るきっかけになるのではないでしょうか。チチカカさんのますますのご活躍を期待しています。中谷様、貴重なお話をありがとうございました。